獣医師の転職と年齢の関係とは?年収に与える影響も解説

Column

2023年2月28日

獣医師の転職と年齢はどのような関係にあるのでしょうか。一般的に、年齢が上がるほど転職は難しいと考えられています。しかし、国家資格である獣医師は専門性の高い仕事であり、転職に年齢は関係するのでしょうか。
今回は、獣医師の転職と年齢の関係、そして転職時の年齢が年収に与える影響についてご説明します。

年齢を重ねるほど獣医師の転職は不利になる?

多くの企業は新卒採用をしているように、若い世代の採用を積極的に行っています。では、獣医師も年齢を重ねるほど、転職は難しくなるのでしょうか。

民間企業への転職は40代~50代になると厳しくなる
民間企業の場合、一般的に40代以降の転職は厳しくなると言われています。転職で新しい職場に入るのであれば、その会社の考え方や仕事のやり方を教えてもらわなければなりません。教える社員の立場になれば、自分よりも年齢の低い人の方が教育はしやすいはずです。
また、年齢が高いほど、社会人としての経験が豊富になります。そのため、40代や50代の場合、なかなか新しい環境になじめず、過去の勤務先の考え方や仕事の進め方などに固辞してしまう傾向があるのです。年齢が高い人の方が柔軟性に欠けるというイメージも40代、50代の転職を難しくしています。

選択肢の幅を広げるなら30代までに転職
40代や50代の転職は、不可能なわけではありません。獣医師の人手不足に悩む職場や、これまでの経験を活かせる職場であれば、年齢が高くても転職先は見つかるでしょう。しかし、未経験の職種にチャレンジしたい場合などは、年齢が高くなればなるほど、採用してもらうのは難しくなるでしょう。
転職先の選択肢を広げたいと思っているのであれば、30代のうちに転職をしておくことをおすすめします。

地方公務員の獣医師求人なら、59歳まで応募が可能な場合も
地方自治体は、獣医師不足が深刻化しています。そのため、慢性的に獣医師が不足しているような自治体では、応募の際の年齢要件を拡大し、獣医師資格を所有していれば59歳まで応募を受け付けているところもあります。
ただし、年齢要件を緩和しているのは、獣医師不足に直面している地方の自治体です。都市部の自治体では、募集にあたってある程度の年齢要件を定めているため、年齢を重ねてから公務員獣医師に転職するのであれば、地方での生活を考えなければならなくなる点には注意が必要となります。

獣医師の年齢が転職に与える影響

年齢が上がるほど、獣医師の転職は難しくなる傾向にあるとご説明しました。では、獣医師の転職にあたって年齢は、どのような影響を与えるのでしょうか。

年齢が高くなれば採用のハードルは高くなる
若いうちは、獣医師としての経験値やスキルよりも人柄や向上心など、その人の持つ潜在的な能力を重視したポテンシャル採用が行われます。一般的には若い方が、柔軟に新しいことを吸収していく能力が高く、年齢を重ねるとなかなか新しいことを吸収しにくいと捉えられるのが現状です。そのため、年齢が高い場合の転職ではポテンシャル採用ではなく、経験やスキルを重視した採用が行われ、即戦力が求められる傾向が高くなります。つまり、年齢が高くなるほど採用のハードルは高くなるのです。

定年に近づくほど転職後の年収は下がる傾向
50代での転職は、定年が間近に迫ります。残り数年しか働くことができない人を採用しても、また数年後に採用活動をしなければならないこともあり、できることなら若い人材を採用したいのが採用担当者の本音でしょう。
また、現職での年収はこれまでの経験や勤務先への貢献度などが考慮された年収になっています。新しい職場に転職しても、何も実績がないために、前職のように貢献度が評価されるケースは少なく、年齢が高くなるほど現職との年収のギャップは広がり、転職後の年収は下がる可能性が高くなります。

獣医師の転職は年齢だけでなく時期も大切
獣医師の転職には、年齢が関係することをご説明してきました。しかし、転職をする際には年齢だけでなく、時期も考えることが大切です。例えば、動物病院の場合は毎年、4月1日から6月30日までは狂犬病のワクチン接種の時期であるため忙しい時期です。また、企業の場合は9月や3月などは決算期で忙しい時期です。
繁忙期に転職をすると現職の勤務先に負担をかけることになり、円満退職ができない可能性があります。転職を考える際には、繁忙シーズンを避けて、現職に迷惑とならない時期を選ぶことも大切です。

年齢が高くなるほど獣医師の転職難易度は高くなる

獣医師の求人の中には、年齢不問のものや50代でも応募できるようなものもあります。しかしながら、年齢を問わず応募できる求人が多いわけではなく、あったとしても年収は低下する可能性が高くなります。
獣医師の転職ででも、年齢が高くなるほど選択肢の幅は狭まり、採用のハードルも高くなることを覚えておきましょう。未経験の業務を経験したい場合など、転職先の選択肢を増やしたいのであれば30代までに転職しておく方が賢明です。