獣医師になるには、大学への進学が必要?社会人から獣医師を目指すこともできる?

Column

2022年10月21日

動物が好き、動物の病気やけがを治したい、そんな理由で動物のお医者さんである獣医師を目指す人は少なくないでしょう。

獣医師は、犬や猫などの小動物はもちろん、牛や馬などの大型動物の健康を守る、専門性の高い職業です。
獣医師になるには獣医学部や獣医学科など、獣医系の学部・学科がある大学に進学する必要があります。
獣医師は人気のある職業でもあり、一旦、他の仕事に就いたけれどやっぱり獣医師を目指したいと考える人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、獣医師になるための方法と、社会人になってから獣医師を目指す場合の方法についてご説明します。

獣医師になるには、獣医師免許の取得が必要

獣医師になるにはまず、獣医師関連の学部や学科のある大学に入学して動物に特化した解剖学や免疫学、病理学など、獣医師になるために必要な知識を学ばなければなりません。獣医師は専門性の高い職種であることから幅広い範囲の知識が必要となり、大学で学ばなければならない期間は、年間となります。
また、大学を卒業したからといって誰もが獣医師になれるわけではありません。獣医師に必要な知識を学び、獣医師国家試験に合格して初めて、国家資格である獣医師免許を取得できるのです。

獣医師関連の学部や学科がある大学は、全国でもわずか

獣医師になるには、獣医師関連の学部や学科のある大学に進学しなければなりません。ただし、獣医学部や獣医学科などが設置されている大学は全国にわずか17校しかありません。
そのうち、国公立大学は11校、私立大学は6校です。また、募集定員も少なく、偏差値も高いため、獣医師関連の大学への入学は狭き門となっています。

獣医師関連の学部・学科がある大学

獣医師になるためには大学で6年間、学ぶ必要があります。国立大学の場合は、一律の学費となり、6年間に必要となる学費は350万円程度です。
大阪府立大学の場合は、大阪府内に在住しているかどうかで多少学費が変わりますが、6年間に必要となる学費は460万~470万円程度です。一方、私立大学の場合の学費は非常に高額になり、6年間に必要となる学費は1300万円~1400万円程度となります。

6年間の通学となることもあり、大学の学費は高額となります。そのため、経済的な事情などで進学が難しい学生に学費の付与や貸与を行う、さまざまな奨学金制度があり、大学によっては独自の奨学金制度を用意しているところもあります。獣医師を目指したいけれど、進学資金に悩んでいるという方は、奨学金制度の利用も検討してみることをおすすめします。

社会人から獣医師を目指すには?

社会人から獣医師を目指す場合にも獣医師関連の学部・学科で学び、獣医師の国家資格を取得しればなりません。
ただし、中には学士入学を認めている大学もあります。学士入学とは、4年制大学を卒業して学士号を取得している人を対象とした編入学制度です。
学士入学が可能な大学であれば、学士入学試験を受けて合格をすると、年次途中から入学することができます。
また、現在、獣医師関連の学部・学科のある大学には、夜間学部を設置しているところはありません。社会人から獣医師を目指す場合、仕事の後に通学できる大学はない点に気を付けましょう。

獣医師の資格取得は難しいけれど、活躍できる場は多岐にわたる

6年間、大学で獣医師になるために必要なさまざまな知識を身に付け、獣医師国家試験に合格すれば、獣医師免許を取得することができます。
獣医師の進路はさまざまであり、活躍の場は多方面に広がっています。獣医師免許を取得すれば、ペットである犬や猫、鳥、爬虫類などを診察する病院に勤務する臨床獣医師や牛や豚などの家畜の健康を支える産業獣医師などとして働くことができるほか、民間企業での研究職に就くことも、動物園や水族の獣医師として働くことも可能です。
獣医系の学科・学部は、全国でも数が少なく、難易度も高いため、簡単に進学できるわけではありません。

また、社会人から獣医師を目指す場合、夜間学部は設置されていないため、昼間に仕事をして学費や生活費を捻出することは難しくなります。学費などの点で不安が残る場合もあるかもしれません。しかし、獣医師になりたいという強い意志を持っているようであれば、学費を補助してもらえる奨学金制度の活用も視野に入れ、獣医師関連の大学への入学を検討してみるとよいでしょう。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。