獣医師の転職先にはどのような場所がある?探し方も紹介

Column

2023年12月27日

獣医師として仕事をしていても、何らかの事情で転職を考えるケースがあるでしょう。獣医師が転職する場合、転職先としてはどのような勤務先が候補になるのでしょうか。
今回は、獣医師の転職先の種類や転職先の探し方についてご説明します。

獣医師の転職先にはどのような場所がある?

獣医師の転職先として考えられる場所には次のような勤務先があります。

他の動物病院
動物病院に勤務している獣医師の場合、最も多い転職先は他の動物病院です。一口に動物病院と言っても、地域に密着した診療を行っている病院から特定の診療科に特化している専門的な病院や夜間・救急に対応している病院など、さまざまな種類の病院があります。
転職先を動物病院に絞るのであれば、自分が望む働き方や仕事ができる動物病院を見極めるようにしましょう。

家畜診療所
牛や豚、鶏、羊など、産業動物を対象にした家畜診療所も獣医師の転職先の候補となるでしょう。家畜診療所では、家畜の診療はもちろん、家畜を飼育するうえで必要な飼料についてのアドバイスや伝染病を予防するための指導なども行います。飼い主様が動物をつれてれ来る動物病院とは異なり、家畜診療所では獣医師が畜産農家に訪問し、飼育場で診療を行うことになります。

製薬会社
動物用医薬品の研究や開発の業務も獣医師の資格と知識を活かせる仕事であり、製薬会社も獣医師の転職先の候補となります。製薬会社では、医薬品の開発や安全性確認などの仕事のほか、獣医師に対して動物医薬品の説明を行うセミナーなどの業務に従事するケースもあります。

民間企業
ペットフードやペット用品のメーカー、販売会社、ペットショップ、ペット保険を扱う会社など、民間企業も獣医師の転職先として考えられる場所です。民間企業では、獣医師として動物の治療に携わることはありませんが、獣医学の専門的な知識を活かし、さまざまな業界で活躍している獣医師がいます。

公務員
国家公務員や地方公務員も獣医師の資格を活かして働ける場所です。感染症の予防や食品の安全性を守る業務、家畜伝染病の対策などの業務に就くケースが多くなります。公務員を転職先として選ぶ場合、公務員試験を受けなければなりません。しかし、獣医師不足に悩む自治体も多く、地方自治体の場合は公務員試験を面接のみで受験できるケースも増えています。

獣医師が転職を考える理由とは?

転職を考える場合、職場を変えたいというきっかけがあるはずです。獣医師は次のような理由から転職を考えることが多いようです。

給与面などの待遇
仕事の忙しさに比べて給与が低いなど、給与面に不満を抱き、転職を考える獣医師は少なくありません。また、残業や休日出勤が多いなど、勤務条件の厳しさから転職を考える人もいます。

結婚や出産などライフスタイルの変化
獣医師は、残業が発生することも多く、体力も必要なハードな仕事です。そのため、特に女性獣医師の場合は結婚や出産などを機にライフスタイルが変化し、仕事と家事・育児の両立が難しくなり、転職を考える人もいます。

スキルアップしたいという向上心
獣医師としての経験を積み、更なる知識や治療技術を身に着けたいとスキルアップを目指して転職をする獣医師の方もいます。より専門性の高い治療に携わることができる動物病院に転職したり、独立のために経営について学べる環境を転職先として選ぶケースもあります。

獣医師以外として働きたいという気持ちの変化
獣医師として動物病院で働く場合には、どんなに懸命に治療を施しても命を助けられないケースがあります。苦しみながら息を引き取る動物の姿や悲しむ飼い主様の姿を目の当たりにすると、動物の死に直面することの辛さに心が耐えられなくなってしまう人もいます。そのような場合に、獣医師としての仕事から一度離れたいと考え、異業種へ転職を考える人もいます。



獣医師の転職先はどのように見つける?

獣医師が転職する場合、転職先はどのように見つければよいのでしょうか。獣医師の転職先の見つけ方をご説明します。

病院や企業のホームページ
働きたいエリアが決まっていたり、働きたい企業が決まっている場合は、対象となる動物病院や企業のホームページに求人募集の情報が掲載されているかをチェックするとよいでしょう。ただし、必ずしも最新の募集情報がサイトに掲載されているわけではなく、場合によっては募集が終わっているケースもあるため、事前に問い合わせをした方が確実です。

紹介
獣医師は、知人の紹介による転職が多い職種です。知人紹介の場合、事前に職場の内情を知ることができるため、スムーズに転職活動が進む可能性が高くなります。しかし、知人紹介の場合は、給与面などでの交渉がしにくいこともあります。また、入職後の仕事内容や職場環境が思っていたものと違っていた場合、知人紹介の手前、退職を言い出しにくいといったデメリットもあります。

転職サイト・転職エージェント
転職サイトは、さまざまな求人情報をまとめて掲載しているサイトです。複数の募集情報を一度に見ることができるため、勤務条件などを比較しながら検討できます。また、転職エージェントは、キャリアアドバイザーにこれまでの職務経験や今後の希望条件などを伝えると、適した転職先を紹介するサービスです。
いずれも幅広い募集情報を知ることができるため、自分に合った転職先を見つけやすくなるでしょう。

まとめ

獣医師が活躍できる場は幅広く、転職先も動物病院や家畜診療所、製薬会社、民間企業、公務員などさまざまです。転職を考える理由によって、転職先として選ぶべきところも変わってくるでしょう。転職を成功させるためには、転職の目的を見失うことなく、自分の希望に合致した転職先を選ぶことが大切です。知人紹介での転職は、スムーズに話が進みやすい反面、知人紹介だからこそのデメリットもあります。転職先を探す際には、獣医師の求人を多数掲載している転職サイトや獣医師の求人に詳しい転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。