獣医師の往診サービスとは?依頼方法や費用の目安を解説

Column

2023年6月5日

動物病院にペットを連れていきたいけれど、さまざまな事情によって通院が難しい場合があるでしょう。そんな時に便利なのが獣医師の往診サービスです。
今回は、獣医師の往診サービスの概要と依頼の方法、費用の目安についてご説明します。

獣医師の往診とはどのようなサービス?

往診とは、医師が患者の自宅等、患者のいる場所に訪問して診療を行うことです。獣医師の往診も人間の場合と同様に、患者であるペットがいる自宅等に獣医師が訪れて、診察や治療を行います。

往診専門の動物病院も増えつつある
仕事が忙しく、なかなか動物病院の診療時間までに通院できないケースなども増えていることから、往診に対応している病院が増えています。また、昨今では往診のニーズの高まりから、往診専門の動物病院も登場し、その数は増加傾向にあります。

獣医師の往診が求められる背景

獣医師の往診サービスの利用が進んでいる背景には、次のような事情が関係していると考えられます。

主な需要
・仕事や家事などが忙しく、ペットを連れて動物病院に行く時間が取れない
・車がないために、体調の悪いペットを連れて動物病院まで移動できない
・動物病院では待ち時間があるため、体調の悪いペットを連れていくのが心配
・飼い主が高齢化し、ペットを連れての通院は難しい
・動物病院へ行くこと自体がペットのストレスになってしまう
・体調が悪いペットを移動させて、身体に負担をかけたくない
・慣れている自宅で安心して治療を受けてもらいたい

獣医師の往診を依頼する方法と費用

獣医師の往診サービスを利用してみたいけれど、どのように依頼をすればよいのか、また費用はどのくらいになるのか気になる方もいらっしゃると思います。
動物病院によって往診の依頼方法は異なりますが、往診可能な時間帯を確認するためには、まずは電話で問い合わせをしてみるのがスムーズでしょう。また、獣医師が訪問してくれるため、動物病院に行く場合と比べると往診の費用は多少割高になります。往診料は動物病院からの距離によって異なるケースが多く、距離が離れるほど高額になりますが、相場は1,000円~5,000円程度です。また、そのほかに診察や検査、投薬代などが必要になります。

依頼できる・できない内容
獣医師が往診をする際には、診療に必要な医療機器や医薬品を持参して診療を行います。しかしながら、往診ではできることとできないことがあります。また、対応する動物病院によっても診療できる内容が異なる場合もあるため、往診を依頼する際に相談をするようにしましょう。

獣医師の往診で可能なこと
・視診、触診、聴診等
・体重や体温の測定
・血液検査、尿・糞便検査
・超音波検査機器による簡易的な検査
・ケガの治療、疾患の治療、点滴、注射
・緩和ケア
・投薬
・健康診断
・ワクチン接種

獣医師の往診ではできないこと
・レントゲンによる検査など、精密検査
・麻酔
・外科手術

獣医師の往診を依頼する流れ

獣医師に往診サービスを依頼する際の手順は、次のような流れとなります。

電話などで依頼
まずは、電話やメールなどで往診サービスに対応している動物病院に問い合わせをします。

症状の確認と日時調整
ペットの種類と症状、食欲、トイレの状況などをできるだけ詳しく伝えます。症状が出始めた時期についても伝えるようにしましょう。また、獣医師と相談し、往診の日時を調整し、予約します。

診療開始
予約日時に獣医師が訪れ、ペットの状態を診察した上で必要な検査や処置を行います。ペットの状態や今後の注意点、薬が処方された場合には薬の与え方などについて説明があります。不明点や不安な点があれば、この時に質問をしましょう。
診察内容によって経過観察や定期的な診察が必要な場合は、次の往診日について相談をします。2回目以降の往診予約を取ることも可能です。

支払い
最後に、会計をします。費用は往診料金のほかに初診料や再診料、検査料金、投薬料金などの負担が必要になります。動物病院によって現金の支払いのみに対応しているところもあれば、クレジットカードで支払いが可能なところもあります。不安な場合は、おおよその見積額を事前に確認しておくとよいでしょう。

まとめ

獣医師の往診サービスとは、獣医師が自宅を訪れ、自宅でペットの診療を行うサービスです。さまざまな事情からペットを連れての通院が難しい場合や体調の悪いペットを動物病院まで連れていくことに不安を感じる場合などに利用できます。また、ペットも慣れている環境で診療を受けられるため、リラックスした状態でストレスなく過ごせるというメリットもあります。
しかしながら、獣医師の往診サービスでは、精密検査や外科手術など、対応できないこともあります。獣医師の往診サービスを利用する際には、ペットの状態と希望する処置を伝え、それが往診で可能なのかどうかを確認するようにしましょう。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。