獣医師の転職における志望動機の考え方!例文も交えて解説

Column

2023年12月27日

志望動機は、転職時の面接で必ず聞かれる項目であり、採用の如何にも関わる重要な質問です。しかし、転職を考えている獣医師の中には、志望動機をどのように伝えるべきか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、転職時の志望動機のまとめ方に苦慮している獣医師の方のために、例文を交えながら志望動機の考え方をご紹介します。

獣医師の転職における志望動機の考え方

志望動機を考える際には次のポイントを軸にして考えをまとめていきましょう。

転職する理由を明確にする
なぜ、転職を考えているのか、転職を希望する理由をはっきりとさせましょう。獣医師の方が転職する際には、何かしら現状の職場に不満があるはずです。しかし、ネガティブな理由から転職を希望する場合、面接官には好印象を与えられない可能性が高くなります。面接時には、不満を不満として伝えるのではなく、ポジティブな理由に変換して転職を志した理由を伝えることが大切です。

その転職先を志望する理由を明確にする
なぜ、応募先への転職を希望しているのか、応募先の何に魅力を感じているのか、志望理由を明確にすることも大切です。具体性のない志望理由では、応募先で活躍したいという熱意を伝えられず、他の動物病院や企業でも良いのではと捉えられてしまいます。応募先を選んだ理由を採用担当者にしっかり伝えられるようにしましょう。

転職後に実現させたい目標を明確にする
転職したらどのような目標を実現したいのかを伝えることで、採用担当者も採用した後に具体的に活躍する姿をイメージしやすくなります。自身の経歴や経験をもとに、実現させたい目標と採用後に貢献できることを具体的に伝えるようにしましょう。

転職時の志望動機を作成するときに役立つフレームワーク

フレームワークとは、日本語で枠組みを表す言葉です。ビジネス上では戦略を立案する場合などにフレームワークを活用します。獣医師の転職においても、志望動機を考える手段としてフレームワークは有効です。志望動機を考えるときには、次のフレームワークに沿って考えてみましょう。

明確な志望動機
まず、なぜ入職・入社を希望するのかをはっきりと伝えます。例えば、「獣医師としてより多くの動物の命を救うため高度医療に取り組みたいと考え、最新の医療機器も導入されている貴院を志望しました」といったように、志望の理由をはっきりと示します。

経験・スキルを踏まえての転職理由
次に、自分の経験とスキルがどのように転職に関わるのかを述べます。具体的には「これまでに動物病院で〇〇の症例の治療経験が豊富にあります。この経験を活かし、〇〇の治療に力を入れている貴院でさらに獣医師としてのステップアップをしたいと考えました」といったような形です。

入社後の目標
最後に「採用いただいた際には、〇〇分野のスペシャリストを目指し、日々研鑽を積みながら一つでも多くの動物の命を救える獣医師を目指していきます」といったように、入社後の目標を記載すると良いでしょう。



獣医師の志望動機の例文

では、具体的に獣医師の志望動機の例文を、良い例と悪い例に分けてご紹介しましょう。良いポイントや悪いポイントについても解説していきますので、志望動機を考える際の参考にしてください。

良い例
中学生の頃に実家で飼っていた犬が夜間に急にぐったりとした様子になったことがあります。慌てて動物病院を探しましたが、時間が遅く、なかなか診療してもらえる場所がありませんでした。その経験から、夜間や休日にも診療できる動物病院で働きたいと考え、獣医師を目指しました。
獣医師として多くの動物と触れ合う中で、残念ながら救えなかった命もあります。しかし、私がより専門的な知識と技術を身に着ければ救える命も増えるのではと考え、充実した治療環境が整った貴院を志望しました。
採用いただいた際には、一日でも早く先輩方に追いつけるように努力し、〇〇分野のプロフェッショナルとしてより良い獣医療を提供できるように邁進いたします。

この志望動機は、獣医師を目指した動機から応募の動機、採用後の目標までを具体的に示しています。何をきっかけに獣医師になり、どのような獣医師を目指しているのかについての説明が一貫しており、採用側にも明確な意思を伝えることができるでしょう。

悪い例
犬や猫が大好きで、動物に触れていられる仕事に就きたいと思い、獣医師を目指しました。今もたくさんの動物と関わることができ、やりがいを感じるとともに充実した日々を送っています。
しかし、現在の動物病院では難しい病気の治療に携わることもなく、獣医師としてキャリアアップできないと考えました。そのため、より大きな病院で働きたいと考え、貴院に応募いたしました。

こちらの志望動機は、獣医師を目指した動機が漠然としているほか、転職理由が現職を批判しているようにも捉えられてしまいます。ネガティブな理由で転職をする人は、採用後に再び不満を抱くのではないかという不安が生じ、採用見送りとなってしまう可能性があります。志望動機はポジティブな理由に変換し、前向きな理由での転職であることをアピールするようにしましょう。

まとめ

獣医師の転職における志望動機の作成ポイントをご紹介しました。就職活動とは違い、転職活動では獣医師の実務経験があることを前提に採用の判断がなされます。今後、どのような獣医師を目指すのか、そのためになぜ応募先を志望しているのか、自身の経験やスキルを交えながら、熱意を伝えられる志望動機を作成しましょう。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。