獣医師が転職するなら地方・都会のどちらがよい?

Column

2024年2月26日

獣医師の方が転職をする際、地方で働いた方がよいのか、都会で働いた方がよいのか、働くエリアについて悩むケースもあるでしょう。企業の場合は、一般的に地方に比べると都会の方が求人数は多い傾向にあります。では、獣医師の場合、転職をするのであれば地方と都会のどちらの方がよいのでしょうか。

獣医師が転職するなら地方・都会のどちらがよい?

獣医師の転職エリアとして、地方がよいか、都会がよいかは、一概に決めることはできません。地方と都会、それぞれにメリット・デメリットがあり、何を優先するかによって自分に合うエリアは変わってくるのです。


地方のメリット・デメリット
地方の場合、人口が少ないためペットの飼育数も相対的に少なくなると考えられます。そのため、比較的時間をかけて、自分のペースで診療ができる可能性が高くなります。
一方、多くのセミナーや学会は都会で開催されるため、地方で獣医師として働く場合、最新の知識や治療法を学ぶ機会は少なくなります。また、転職する場合には動物病院の数が限られるため、求人数も少ないでしょう。

都会のメリット・デメリット
人口が多い都会では、ペットの飼育数も多いため動物病院の数も多く、二次診療や専門性の高い動物病院など、就業先のバリエーションも多くあります。そのため転職先の候補も多く、自分に合った転職先を選べるでしょう。また、患者数も多いため、さまざまな症例を経験することができます。
一方で、患者数の多さから時間に追われる可能性もあります。

地域別の獣医師求人の特徴

都会と地方では、獣医師の求人の特徴も異なります。主な地域の獣医師求人の特徴をご紹介しましょう。

東京の獣医師求人
東京は、動物病院の数も多く、二次診療や専門医療に携われる動物病院も多くあります。また、ペットの飼育数も多く、ライバルとなる動物病院も多いことから、高いレベルの獣医療や飼い主様へのきめ細やかな配慮が求められる可能性が高くなります。さらに、外国人居住者も多いため、英語などの外国語での対応が求められるシーンも多くなるでしょう。

大阪の獣医師求人
大阪は、東京に次ぐ日本第二の都市であり、動物病院も多く集まるエリアであることから、東京と同様にさまざまなタイプの動物病院があり、獣医師の求人も豊富です。また、大阪独特の文化があり、飼い主様とのコミュニケーションの機会も多くなるでしょう。

愛知の獣医師求人
愛知県には、中部地方の中心都市である名古屋市があります。名古屋は、東京、大阪に次ぐ第三の都市と言われますが、令和4年度の犬の登録頭数を見ると、愛知県の登録頭数は大阪府よりも多く、東京、神奈川に次いで3番目に犬を飼育しているエリアです。
また、動物病院の数も多いことから獣医師の求人数も多くあります。

北海道の獣医師求人
北海道の獣医師求人の特徴は、小動物を対象とした動物病院の求人だけでなく、産業動物を対象とした求人が多い点にあります。また、冬の寒さが厳しいことから、獣医師には冬場の動物の健康管理を担う役割も求められます。

福岡の獣医師求人
福岡は九州を代表する都市です。犬の飼育頭数は、九州の中でも群を抜いて多く、動物病院の数も多いため、九州各エリアから専門的な治療を求めて福岡の動物病院に来院するケースも少なくありません。そのため、さまざまな治療に対応できる大型の動物病院も多くあります。



獣医師の転職でも在宅のリモートワークという選択肢がある

新型コロナウィルスの感染拡大に伴う行動制限により、出勤せずに働くリモートワークが広がりました。リモートワークと聞くと、オフィスワーカーを対象とした働き方のように感じる方が多いかもしれません。しかし、獣医師でもリモートワークができるケースがあります。
具体的には、メールやアプリなどを通じ、飼い主様から寄せられたペットの健康やセカンドオピニオンについての相談に意見を提供する業務です。スマートフォンやパソコンがあればどこに住んでいても対応できる仕事であり、獣医師の転職にもリモートワークという選択肢が登場し始めています。

地方・都会を判断するときに検討すべきこと

獣医師として地方で働くべきか、都会で働くべきかを考えるときには、次のポイントに注目し、自分に合った転職先を見つけることが大切です。

将来の目標や理想像
まず、どのような獣医師を目指すのか、理想の獣医師像を明確にすることが大切です。専門性を高めたい場合や高度医療を学びたい場合には、都会の方が最新の獣医療を学べる施設は多くなります。反対に、じっくりと動物や飼い主様と向き合い、丁寧に診療をしていきたい場合には比較的自分のペースで診療がしやすい地方の方が向いているでしょう。

ライフワークバランス
仕事だけでなく、仕事以外の時間も重視したい場合には、残業や休日出勤などの少ない動物病院の方が向いています。一概に言い切れませんが、ペットの飼育頭数の少ない地方の病院の方が、比較的急な残業は発生しにくいと考えられます。家族との時間やプライベートの時間を重視したい場合には、地方の方が向いているかもしれません。

開業するか・しないか
将来、動物病院の開業を検討しているか、していないかによっても転職する場所は変わってくるでしょう。開業を考えているようであれば、開業したい土地で働いた方が土地の特性を知ることができ、経験を開業時に役立てることができます。

日本における動物病院の数

地方で働くか、都会で働くかを判断するにあたり、エリアごとの動物病院の数を把握しておくことも大切です。
令和4年度のエリアごとの動物病院の数は次のようになっています。

https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/animal/attach/pdf/index-7.pdf

まとめ

獣医師の転職として地方と都会のどちらがよいかは、どのような獣医師を目指すのか、どのような働き方がしたいのかなどによって変わってきます。
地方と都会の動物病院の数や獣医師求人の特徴なども参考に、自分が目指す働き方ができる場所を選ぶようにしましょう。