獣医師の就職活動はいつから始める?基本的な流れを紹介

Column

2023年12月27日

獣医師は国家資格が求められる職業であり、資格がなければ獣医師として働くことができません。そのため、獣医師の就職活動は資格取得前に始めるものなのか、疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、獣医師の就職活動の流れについてご説明します。

獣医師の就職活動はいつから始める?

獣医師の就職活動は、いつ頃から始めるのがよいのでしょうか。

夏休みまでに就職先を決めておこう
獣医学部の学生は、6年生の春ごろに就職活動を始めるケースが一般的です。どのような場所で、どのような仕事に就きたいのか、早い段階で明確になっている場合もありますが、実習などの経験を積む中で考えが変わる場合もあるでしょう。そのため、あまり急いで就職先を決定する必要はありません。6年生の春ごろまでに就職活動を始め、夏休みまでには就職先を決めておくと、その後の卒業論文の作成や獣医師国家試験の準備を進めやすくなります。

獣医師の就職活動の基本的な流れ

では、獣医師を目指す場合の具体的な就職活動の流れをご紹介しましょう。

獣医師を目指す理由を棚卸しする
まず、なぜ獣医師になりたいと考えたのか、獣医師を目指した理由を振り返ってみましょう。獣医師を目指すきっかけが、目指す獣医師像の把握につながります。

キャリアプランを立ててみる
理想とする獣医師になるためには、どのような経験が必要になるのか、具体的なキャリアプランを立ててみましょう。獣医師として基本を身に着けた後は、専門分野を追求したいのか、地域に密着した獣医師を目指したいのか、同じ獣医師でも理想とする獣医師像は異なるはずです。獣医師としての目標が明確になれば、おのずとどのような職場に就職すべきなのかもはっきりと見えてくるでしょう。

就職先の条件を具体的に洗い出す
目指すべき方向性がはっきりしたら、就職先の条件を具体的に挙げていきます。どのような業務を経験できる場所がよいのか、業務の内容はもちろん、就職するエリア、職場の規模、勤務時間、給与などについても理想の条件を挙げていきましょう。
例えば、現在の住まいから通勤できる範囲を希望するのか、実家の近くを希望するのかによって就職活動を進める場所が変わります。また、在籍する獣医師の人数によって任される業務の内容や教育体制、仕事の忙しさなども変わってくるでしょう。理想とする条件を挙げたら、次に優先順位を考え、絶対に譲れない条件と譲歩できる条件を明確にしておくと、就職希望先がはっきりとしてきます。

希望する病院へ実習のアポイントメントを取る
獣医師として動物病院に就職する場合は、実際に働く病院での見学と実習が不可欠です。希望する就職先が見つかったら、病院に連絡をして見学と実習のアポイントメントを取りましょう。比較するためにも1つだけの動物病院を見学するのではなく、複数の動物病院にアポイントメントを入れることをおすすめします。

実習に参加する
アポイントメントが取れたら、見学・実習に参加します。病院ではしっかりと挨拶をし、分からない点があれば積極的に質問をしましょう。実習や見学が採用試験となるケースも少なくありません。挨拶ができていなかったり、周りとコミュニケーションが取れていなかったりした場合、病院側によいイメージを与えることができません。獣医師は、チームで働く仕事です。周囲の状況なども確認しながら、周りのスタッフと協力できる姿勢をアピールできれば好印象を残せるはずです。
また、病院の雰囲気や忙しさ、スタッフの人数構成なども実習の際に確認しておきましょう。
ここまでを6年生の夏休みまでに進めておくと安心です。


実習後のお礼を連絡する
見学や実習を終え、就職の意向が固まったら、早めにお礼を伝えるようにしましょう。間を空けてしまうと熱意が伝わらないため、実習終了から数日の間にお礼の言葉と就職する希望がある旨を伝える手紙を送付します。メールで送付することもできますが、ビジネスマナーとしてより丁寧な姿勢を示すためには、手書きの書面を送付した方がよいでしょう。

場合によっては改めて面接を受ける
動物病院によっては、見学や実習の後に改めて面接の場を設ける場合もあります。その際には、履歴書など必要なものの準備を整え、指定された時間に遅れないように訪問し、面接を受けましょう。面接の際にも、はっきりと笑顔で挨拶をすることが大切です。実習での感想や内定後にどのような獣医師を目指したいのかなど、面接で聞かれやすい項目に関してはあらかじめ回答を準備し、しっかりと受け答えができるようにしておきましょう。

国家試験に合格する
獣医師として動物病院で働くためには、国家試験に合格する必要があります。就職先を決めた後には、国家試験の準備を進め、獣医師の資格を取れるように頑張りましょう。獣医師試験に合格したら、春から獣医師としての新生活がスタートします。



まとめ

獣医師の就職活動の流れをご紹介しました。動物病院への就職を希望する場合、一般的には6年生の春ごろから就職活動を開始し、夏休みを目途に就職先を決めることが多くなっています。夏休み以降は、卒業論文の仕上げや獣医師国家試験の準備に忙しくなってくるため、就職活動は6年生の夏までを目安に進めていくとよいでしょう。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。