40代の獣医師でも転職できる?注意点や成功のポイントを解説

Column

2023年10月3日

一般的に、転職をするのであれば若い方が有利であり、40代での転職は難しいといわれています。しかし、国家資格が必要な職種であり、専門性の高い仕事である獣医師の場合はどうでしょうか。
今回は、40代の獣医師が転職する際の注意点や転職を成功させるためのポイントについて解説します。

40代の獣医師でも転職できる?

40代の獣医師は、転職できないわけではありません。例えば、人材不足が深刻化している地方の公務員獣医師は、40代でも応募が可能です。実際に40代で地方公務員に転職し、獣医師として新たな道を歩んでいる方もいます。また、動物病院が人材不足のために即戦力を求め、これまでに獣医師として豊富な経験を積んできた40代程度の獣医師を募集しているケースもあります。
しかしながら、40代の獣医師の転職は、若い世代の転職に比べると希望する年収なども高くなること、求人数が限られることなどから、長期戦になる可能性が高くなります。

獣医師が40代で転職を考える理由とは

転職理由は人によってさまざまですが、40代の獣医師の場合、次のようなことを理由に転職を考えるケースが多いようです。


親の介護
40代になると親も高齢になってきます。病気などにより介護が必要な状態になると、終業時間が不規則になりがちな獣医師の仕事は続けられないケースがあります。そのため40代の獣医師の中には、親の介護を理由に転職を考える人が少なくありません。

価値観の変化
若い頃は、理想の仕事ができるのであれば働く場所にこだわらないケースもあるでしょう。しかし、年齢を重ねるとともに価値観が変化し、地元に戻って生活をしたい、憧れの土地で獣医師として働きたいと感じ、転職をする獣医師もいるようです。

働き方を変えたい
多くの動物の治療にあたる忙しい職場の場合、一頭の動物、一人の飼い主様とじっくり向き合うことができないケースがあります。そのような獣医師としての働き方に疑問を感じ、動物や飼い主様としっかりコミュニケーションを取りながら、納得できる医療を提供したいと考え、転職を希望する40代の獣医師もいます。

獣医師が40代で転職する時の注意点

獣医師が40代で転職する場合、20代や30代の転職とは違った面があります。転職時には、40代の獣医師ならではの注意点をしっかりと踏まえ、失敗のない転職活動をしましょう。



求人数や内容が限られる
獣医師にかかわらず、40代となると対象となる求人は数が少なくなります。長期的な視野に立ち、人材を育てる意味合いから、比較的若い世代を対象に求人を募集するところが多いためです。40代での転職は、まず応募できる求人数や求人内容が限られる点を理解しておきましょう。

スキルやキャリアを求められる
40代の獣医師に対し、これから新たな仕事を覚えてもらおうと採用する動物病院や企業は少ないでしょう。40代の人材を求めるのであれば、求人先は即戦力を求めています。したがって、獣医師としての十分なスキルと経験が求められる可能性が高くなります。

年収にこだわるとミスマッチが起こりやすい
40代の場合、前職である程度の年収を得ており、転職先でも同等の年収を希望するケースが多くあります。しかし、前職の年収は、その職場での経験や貢献度を評価された金額です。新たに働く場所では、どの程度活躍できるのかが分からない方に、前職同様の年収は提示できない可能性が高くなります。年収にこだわりすぎると希望の就職先が見つけにくくなるため、注意が必要です。

40代の獣医師が転職を成功させるポイント

40代の転職は決して簡単ではありません。しかし、40代でも転職を成功させている獣医師はいます。40代の獣医師が転職を成功させるためのポイントをご紹介します。

長い目線で転職活動を進める
繰り返しになりますが、40代を対象とする求人数には限りがあるため、短期間で転職活動を成功させる事が難しいケースがあります。
離職後に転職活動が長期化すると焦りが出てしまうため、仕事を続けながら転職活動を行う事をおすすめします。

実習中に職場環境を確認する
動物病院の場合、面接と並行して実習期間を設けるケースがほとんどです。実習中は、職場の雰囲気や設備の充実度、診療内容などを確認できるチャンスです。入職後にミスマッチが起きないよう、実習中にしっかりと職場環境や業務内容などが自分の希望と合致しているか見極めるようにしましょう。

転職サイトやエージェントを活用する
昨今では、転職をする人のほとんどが求人情報をインターネット上に掲載している転職サイトや、希望条件を伝えることで合致する求人の紹介をしてもらえる転職エージェントを利用しています。特に獣医師の求人を専門に扱う転職サイトや転職エージェントでは、自力だけでは見つけられない求人情報を見つけられる可能性もあるため、積極的に活用するとよいでしょう。

まとめ

40代でも転職を成功させている獣医師はいます。40代での転職を考えているようであれば、短期間で結果を求めようとせず、じっくりと自分に合う求人に出会うまで、粘り強く活動を続けることが大切です。年収にこだわりすぎてしまうと、なかなか採用に至らない可能性もあるため、ある程度、年収や条件を妥協することも必要になるでしょう。
また、獣医師専門の転職サイトや転職エージェントを活用すれば、効率よく希望に近い求人を見つけられる可能性がありますので、上手に利用することをおすすめします。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。