女性の働き方のご紹介vol.4
開業獣医師 今本三香子 副院長

Column

2021年7月29日

Q.獣医師になろうと思ったきっかけを教えてください

子供の時から動物が好きで、 小さいころから野良犬を見つけては 「誰か飼ってください」と近所の家を回ったりするような子でした(笑)。生き物全般が好きだったので、 最初は海洋生物の勉強に憧れて北里大学の水産学部に入ったんです。 その後、 途中で獣医師に憧れるようになり、 同大学に獣医学部があったこともきっかけとなって水産学部を退学し、 獣医学部を受けなおして獣医師になりました。

Q.夫婦で開業に至った経緯を教えてください

院長である主人とは北里大学の学生の時からお付き合いをしていて、 卒業して2年ちょっとで結婚をしました。 私自身は卒業してすぐは埼玉の動物病院に勤務医として勤めましたし、 その後も勤務医の可能性も考えていましたが、 院長は卒業してから二 年たつ前に開業し、 その時点で結婚する事も決まったので、 夫婦で開業をしていく事になったんです。 ただ、 私は大学卒業後に3年間は私は同じ病院で勉強したいという気持ちがあったので、 結婚直後は奈良と埼玉での別居婚が一年ちょっと続きました。 私が3年間の勤務医を終えてから副院長として夫婦一緒の診療がスタ ー トとなったんです。

Q.夫婦の開業でうまくやっていく方法などありますか?

仕事もプライベー トもどちらが上とか下とかではなく同じ立場で分担をうまくやっていくという点ではないかと思います。
よく、 夫婦で開業すると診療の意見がぶつかって大変という方もいるようですが、 診療については夫婦でそれぞれ得意分野があります。 院長は、 関節・心臓.腫瘍の分野、 私は皮膚や猫・うさぎなどが得意分野なので自然と分担され、 仕事で意見が衝突することはほとんどありません。 子供の事はたまにありますけどね(笑)。
プライベ ー トでは、 以前は無休で診療していたので、 寝る時も携帯が手放せないような状況でした。 ただ子供を仕事の犠牲にしたくないという事を意識してたので、 昼休み中にどこかに遊びに連れて行ったり、 父親と母親と交互に休みをとったりして工夫していました。 また、 習い事の送り迎えも日曜日は院長が野球の担当、 土曜日は私がサッカ ーの担当のように分担してきました。
なので得意分野をお互い補いあっていくとうまくいくんではないでしょうか?あと、 細かな事でも疑問点や意見はその都度、お互いでよく話し合うことも大事な事だと思います。

Q.4人のお子さんの育児と仕事を両立するなかでどんな事がありましたか?

長男の出産の時は開業してまだ間もないこともあり、 帝王切開だったんですが出産後、 退院てから4、 5日目でもう病院で働いてました(笑)。 2人目3人目については、 双子だったので妊娠したときに受診病院には仕事をやめなさいと言われましたが、 そんなわけにもいかず働いていたら具合が悪くなってしまい一度実家に帰ったんです。 その時に、 「仕事は他の人にもできるけど、 子供を守るのは自分しかいないんだ」ということを強く感じたんです。
当時はまだ開業後で忙しい時期でしたが、 そう感じてからきっちり一年ぐらい仕事を休みました。 休んだと言っても、 双子の育児は大変なものでした。 上の子もまだ二歳でしたし、 お風呂も一日4回ぐらい入ってましたよ。 最初は自分を洗って、 その後にお兄ちゃん、 双子の赤ちゃんを一人づつというような感じで(笑)。
今思うと院長も最初から子育てに協力的だった訳ではなく、 徐々になっていったと思います。 きっと子供が成長すると一緒に親も成長していくのでしょうね。 こうした方がいいんだ、 という事が徐々にわかってくるんだと思います。
夕飯は主に今は院長が作ってくれますよ。 そのあいだに末っ子の娘を私がお風呂にいれます。 同時進行にしないと娘の寝る時間が遅くなってしまいますからね。 院長は料理が好きで気分転換にもなるみたいです。 焼肉や鍋料理なんかが多いですけど、毎日大勢でワイワイ食べるのでとても楽しいです。 また、 夫婦で開業していると子供を職場に連れていくことができます。 風邪などで保育園にいけなくても、 病院の休憩室に休ませておくことができるんです。 子供が小さい時などはおんぶして診療したりしていました。 だから子供を以前からよく知っている飼い主さん達は、 嬉しいことに子供の成長を一緒に喜んでくれます。

message 働く女性の方たちヘメッセージを!

資格を取る事やスキルアップ、 また子育ての協力など、 それがいい事ならば、 だめだと いう院長やこ家族の方は少ないと思います。 思いを伝えることで周囲は協力してくれる と思いますよ。 私は皮膚科学会皮膚科認定医の資格をとりました。 それは海外で研修を しないといけないカリキュラムもあるのですが、 育児の面
などで周りが協力してくれました。 もちろん子供にも必要な時問をかけることは子供の 成長に必要ですから、 仕事とのいいバランスをとることが必要なんだと思います。 私自身 こんな感じで周囲に協力してもらいながらオンとオフをはっきりさせていることが子供にも自分にもよかった事だと思えます。
特に仕事に集中できる若い女性は、 そんなバランスを考えなくていい時期なので100% なりたい自分になるために全力投球していってほしいです。