獣医師で年収1000万円は可能?

Column

2023年10月3日

獣医師は国家資格が必要な専門職であり、働くからには高い年収を得たいと考える方も少なくないでしょう。では、獣医師が1000万円の年収を得ることはできるのでしょうか。
今回は、獣医師の平均的な年収や獣医師として1000万円を稼ぐ方法についてご説明します。

獣医師で年収1000万円以上稼げる?平均年収や海外の獣医師の年収を解説

高年収といえば、1000万円を一つの目安として考える方も多いのではないでしょうか。獣医師の平均年収は、日本では1000万円には到達しません。しかし、海外では獣医師の社会的地位が高く、より高いレベルの知識・技術が求められるために、平均年収1000万円以上を実現している国もあります。



日本の獣医師の平均年収は600万円ほど
厚生労働省が発表しているデータによると、獣医師の平均年収は36.1歳で約592万円であるとされています。これは、勤務先や役職、雇用形態などもさまざまな獣医師の年収の平均値を出したものです。そのため年齢や仕事内容の違いなどによって、600万円以上の年収を稼いでいる獣医師も、年収が600万円に満たない獣医師もいるでしょう。

雇われて働く獣医師が1000万円稼ぐことは困難
獣医師の中には1000万円を超える年収を得ている方もいます。しかし、動物病院に雇用されて働く勤務獣医師が1000万円を稼いでいる例は、ほとんどないといってもよいでしょう。動物病院で勤務している獣医師の平均年収は、最も高い40代の男性でも900万円ほどです。

海外では年収1000万円以上も目指せる
日本では獣医師が年収1000万円を得ることは簡単ではありませんが、海外では獣医師の平均年収が1000万円を超えるところもあります。具体的には、オーストラリア、アメリカなどです。特にオーストラリアの獣医師は、新卒や経験の浅い獣医師でも800万円以上の年収を得ているといわれています。

獣医師で年収1000万円を稼ぐ方法

獣医師が年収1000万円を稼ぐためには、独立して開業をするか、製薬会社、大手の民間企業へ転職をする方法などが考えられます。

独立開業を目指す
獣医師として1000万円を目指す方法として、最も現実的なものが独立して動物病院を開業することではないでしょうか。もちろん、開業しただけで年収が1000万円に届くわけではありません。
開業にはリスクもあり、必ず成功するとは言い切れません。また、動物病院を開く土地や建物の取得費用やテナント料、設備の導入費用、広告宣伝費用、人件費、光熱費などさまざまなコストもかかります。
開業してすぐに患者様が多く訪れるわけではないため、事業を軌道に乗せるまでにはある程度の時間がかかります。しかし、飼い主様と信頼関係を築いていけば動物病院としての評価も高まり、安定した収益を上げられるようになるでしょう。
独立開業を目指すのであれば、開業して高い評価を得られるようにさまざまな症例を学べる動物病院でしっかりと治療技術を身に付け、開業や動物病院経営のノウハウについても学び、事前準備を進めておくことが大切です。

製薬会社へ転職する
製薬会社は、高年収が期待できる業種です。2022年度のデータによると製薬会社のうち13社は、平均年収が1000万円超となっています。獣医師が活躍できる製薬会社というと、ヒト用の医薬品を製造・販売する製薬会社と動物用医薬品の製造・販売をする製薬会社の2つがあります。どちらも獣医師の資格や知識を活かせる業種ではありますが、規模から考えるとヒト用医薬品の製薬会社の方が大きく、数も多いと考えられます。人口とペットの飼育頭数を考えても人口の方が多いため、医薬品のニーズもヒト用医薬品の方が高くなり、高い年収が期待できるのもヒト用医薬品を製造する製薬会社になるでしょう。
製薬会社での研究職を希望する場合は、大学院までの学歴が求められるケースも少なくありません。特に大手の製薬会社は人気も高く、転職をする際にも簡単な道ではないことも覚えておきましょう。

大手民間企業へ転職する
獣医師の資格を持ちながら、民間企業で働く人もいます。獣医師が活躍している民間企業としてはペットフードのメーカー、ペット用品メーカー、動物用医薬品・ワクチンの輸入会社など、ペット関連業種があります。また、ペットとは関連がないものの食品会社においても、
研究や安全性の確認などの分野において獣医師としての知識を活かすことができるでしょう。
民間企業の年収はさまざまですが、大手の企業ほど年収は高くなる傾向にあります。転職をしてすぐに1000万円の年収を手にすることは難しいですが、経験とスキルが評価されれば、将来的に1000万円に到達する可能性は十分にあるでしょう。

まとめ

年収1000万円といえば、高年収の一つの目安になるでしょう。獣医師の平均年収は600万円前後であり、動物病院に勤務する獣医師が1000万円の年収を稼ぐことは難しいのが現状です。獣医師として年収1000万円を目指す方法には、独立開業をするか、製薬企業・大手民間会社への転職が考えられます。
独立開業にはリスクもあり、製薬企業や大手企業への転職も求人数が少なく、年収1000万円の実現は簡単ではありませんが、決して実現不可能なわけでもありません。年収アップを目指すのであれば、自分が進みたい方向性をしっかりと見据え、それに向けた準備を整えることが大切です。