動物病院トリマーの仕事内容やメリットとは?ペットサロンとの違いも解説

Column

2023年10月16日

トリマーには、動物病院に勤務する人もいます。動物病院のトリマーはどのような仕事をするのでしょうか。
今回は、動物病院のトリマーの仕事内容やペットサロンのトリマーとの違いについて解説します。

動物病院トリマーの仕事内容や勤務時間

では早速、動物病院におけるトリマーの仕事内容や勤務時間、休日などについて見ていきましょう。

仕事内容は動物病院によって異なる
トリマー業務だけに専任する場合と、受付業務や動物のお世話などの業務と兼務する場合があり、動物病院トリマーの仕事内容は勤務する動物病院によって異なります。また、動物病院でのトリマー業務は、老犬や持病のある動物などを対象としたケースが多くなります。

勤務時間や休日について
勤務時間も勤務する動物病院によって異なります。動物病院では、午前診療と午後診療の間に休診時間があります。しかし、この時間を利用して手術をする場合や、カルテの整理、トリミング業務に充てている場合もあり、必ずしも休憩時間が長くなるわけではありません。
また、休日については週休2日制の動物病院がほとんどで、年末年始やゴールデンウィークは連休になるケースが多くなっています。

動物病院とペットサロンの違い

動物病院とペットサロンでは、トリマーの仕事に次のような違いがあります。

動物病院は診療・治療がメイン
動物病院は、治療や病気の予防のためのトリミングがメインとなります。皮膚疾患のためにトリミングが必要になる場合や、高齢のためにペットサロンでは対応が難しいような動物などを対象にトリミングを行います。そのため、できるだけ動物に負担をかけないよう、短時間で仕上げる技術が必要になります。

ペットサロンはお手入れがメイン
ペットサロンでは、お手入れをメインとしたトリミング業務をします。飼い主様の希望に合わせたおしゃれなスタイルに仕上げることも、ペットサロンでのトリマーの仕事です。また、爪切りや肛門腺絞りなども、ペットサロンでトリマーが行う業務となります。

両者が併設されているケースもある
動物病院によっては、飼い主様の利便性を考え、ペットサロンを併設しているところもあります。その場合は、健康診断や診察などの合間にペットサロンで飼い主様の要望に合わせたトリミングを行います。

動物病院トリマーとして働くメリット

動物病院とペットサロンで働くトリマーの業務内容の違いについてご説明してきましたが、動物病院トリマーには次のようなメリットがあります。

高齢のペットの扱い方が身に付く
動物病院では、ペットサロンでのトリミングが難しい高齢の動物を担当することもが 多く、高齢の動物の扱い方を実践的に身に付けられます。

福利厚生が整っている
動物病院は、年末年始やゴールデンウィークなどは休暇となるケースもあります。飼い主様の休日に合わせて営業していることの多いペットサロンに比べると、休みを取りやすいでしょう。また、社会保険も完備されているため福利厚生面が整っているといえるでしょう。

トラブルが生じた場合は獣医師にすぐ診てもらえる
トリミング中に動物の様子が急変したり、皮膚の異変に気が付いたりした場合も、獣医師が近くにいるためすぐに診てもらうことができます。

動物病院トリマーとして働くデメリット

メリットもある一方で、動物病院トリマーとして働くことには次のようなデメリットもあります。

カット技術が向上しにくい
動物病院では、おしゃれなカットテクニックや流行りのカットに仕上げる技術は求められません。そのため、カット技術は向上しにくいかもしれません。しかし、高齢の動物や病気の動物に負担をかけないようにシャンプーやカットをする技術は身に付けられるでしょう。

病院業務との兼任を求められることが多い
動物病院では、トリマーだけの業務だけでなく、受付や電話対応、在庫管理などの業務にも対応しなければならないケースが多くなります。トリミングだけに専念したい方にとっては、トリミング以外の業務もしなければならい点はデメリットになるでしょう。

最期を看取ることもあるので精神的な負担が大きい
動物病院には、病気の動物が訪れます。そのため、治療の甲斐無く命を落としてしまうケースもあり、動物の最後に立ち合わなければならない点も精神的な負担が大きいことからデメリットと感じる場合もあるでしょう。

動物病院トリマーに関してよくある質問

Q.志望動機はどのように書けばよいですか?
動物の健康に関する知識も身に付けたい、病気や高齢の動物のトリミングをすることで動物の治療に携わりたい等、なぜペットサロンではなく動物病院を志望するのかの理由を記載するとよいでしょう。

Q.必要な資格はありますか?
トリマーは資格が必須な職業ではありません。しかし、しっかりとした知識や技術を身に付けていることの証明となるため、トリマーを目指すのであれば民間の資格を取得しておいた方がよいでしょう。
トリマーになるには?資格の種類や取り方を解説

Q.給料はどれくらいですか?
トリマーの給料は、勤務先や勤務年数などによって異なります。一般的には、動物病院トリマーの年収は290万円ほどだといわれています。
トリマーの給料は平均いくら?年収やボーナスを徹底調査

まとめ

動物病院トリマーは、治療や病気予防の一環としてのトリミング業務を担当します。そのため、おしゃれなスタイルに仕上げるカット技術は求められないことがほとんどです。また、トリミング業務以外の仕事も任せられることが多く、幅広い業務を担うケースが多くなるでしょう。
しかし、動物病院トリマーには、高齢の動物や病気の動物に負担をかけないトリミング技術を身に付けられたり、動物の健康面についての知識も学べたりといったメリットがあります。また、何より病気の動物の治療や病気の予防のためにトリマーとして関われることが動物病院トリマーの仕事のやりがいではないでしょうか。

この記事の監修者

蕪木 新 アニコム パフェ株式会社 転職エージェント

トリマーとして3年従事した後に、大手ペットショップ勤務を経験。
その後、動物病院向けカルテ管理ソフトの営業職に従事。
自身の業界転職経験を活かし、どうぶつ業界に特化した転職サポートを行う。