獣医師が転職する方法とは?基本的な流れやコツを紹介

Column

2024年5月1日

獣医師が転職する方法には、大きく分けて3つの方法があります。今回は、転職を考える獣医師の方のために、転職の流れや転職を成功させるコツをご紹介します。

獣医師が転職を考える年齢は何歳くらいが多い?

獣医師は転職する機会の多い職業だと言われています。2015年にアニジョブが獣医師を対象に行った調査では、転職を考え始めた時期は就職から1年~3年後と回答した人が最も多く、全体の45%を占めていました。次に多かったのは、6か月未満と6か月~1年未満で、いずれも全体の20%となりました。

獣医師の中には、新しい職場に転職するのではなく、動物病院を開業する人もいます。開業する獣医師は、6年~7年程度経験を積んだ後、30歳~30代半ばくらいに独立することが多いようです。

獣医師が転職する主な理由とは?


獣医師が転職を決意する背景には、どのような理由があるのでしょうか。獣医師が転職を考える主な理由をご紹介します。

医師や歯科医師に比べ、年収が低い
獣医師は、医師や歯科医師と同様に、大学で6年間学び、国家試験を受験して初めて得られる資格です。しかしながら、医師や歯科医師に比べると獣医師の年収は決して高くはありません。動物病院などは、激務であることが多く、ハードな仕事でありながら年収が低いために転職を考える獣医師が多いようです。

結婚や引っ越しを機に転職を考える
女性獣医師の場合は、結婚や引っ越しなどを機に転職を考えるケースが多くなっています。動物病院で獣医師として働く場合は、急な残業に対応しなければならないこともあり、家事や育児との両立が難しくなってしまいます。また、結婚に伴う転居によって勤務先が遠くなり、転職を考えることも多いようです。

人間関係や運営方針が合わない
獣医師の中には、人間関係に悩んだり、動物病院や会社としての考え方が自分に合わないと感じて転職する人もいます。動物病院の場合は院長や先輩、同僚との関係がうまくいかず、転職で新しい環境に身を置きたいと考える獣医師が少なくありません。また、会社としての経営方針や動物病院の運営方針などに疑問を抱き、理想とする職場への転職を望むケースもあります。

獣医師の資格を活かし、別の業界で働いてみたいと思った
獣医師の6割は、動物病院以外の場所で働いていると言われています。獣医師には、産業獣医師として働く人や動物園・水族館などで働く人、一般企業で研究開発業務などに就いている人がいます。今とは違う業界での仕事を希望し、転職をする獣医師もいます。

獣医師が転職するための基本的な流れ

獣医師が転職する際には、基本的に次のような流れで転職活動を進めていきます。

1.求人情報を探す
獣医師求人が掲載されているサイトを検索したり、知人に紹介を依頼するなどして求人情報を探します。業務内容や勤務時間など、雇用条件も確認しておきます。

2.実習の有無とその期間を確認する
動物病院の獣医師求人の場合は、実習期間が設けられていることが多くなります。実習期間は職場の雰囲気や業務内容を確かめられる良いチャンスです。実習があるのか、また実習期間がどのくらいなのかについても確認しておきましょう。

3.履歴書と職務経歴書を準備し、求人に応募する
希望する獣医師求人が見つかったら、履歴書と職務経歴書を作成し、応募します。

4.面接を受け、実習に臨む
書類審査に通過したら、面接に進みます。その後、動物病院の場合は実習に進み、業務を経験することが一般的です。

5.内定が出たら退職の準備を進める
内定をもらい、転職の意思を固めたら現職に退職の旨を伝え、退職準備を進めます。円満退職するためには、余裕をもって退職時期を伝えることが大切です。

獣医師が転職するにはどのような方法がある?

獣医師の転職方法には、次の3つの方法があります。

希望の転職先に直接応募する
応募する動物病院や企業が決まっている場合は、募集要項に記載された方法で直接応募をします。ただし、直接応募の場合は業務内容や雇用条件が細かく記されていないケースもあるため、面接時にしっかり確認する必要があります。

求人サイトから応募する
求人サイトに希望の求人が掲載されていた場合は、求人サイトを経由して応募ができます。
ただし、獣医師の求人は一般的な求人サイトにはあまり掲載されていないため、獣医師向けの求人を掲載しているサイトを利用すると良いでしょう。

転職エージェントを活用する
転職エージェントは、転職希望者と求人企業をマッチングさせるサービスです。転職エージェントに登録し、キャリカウンセラーに希望の条件などを伝えると、希望に合致した求人の紹介を受けられます。ただし、転職エージェントにも得意分野があるため、獣医師の求人を多く取り扱っているエージェントの利用がおすすめです。

獣医師が転職を成功させるコツ


獣医師が転職をさせるポイントは、次の5つの点に気を付けることです。

・複数の動物病院や企業を比較したうえで転職先を決断する
・知人紹介だけに頼らず、自分でも情報収集に努める
・1つの条件に固執せず、さまざまな面を考慮して転職先を選ぶ
・動物病院の場合は、十分な実習期間がある病院を選ぶ
・退職が決まったらできるだけ早く、現職の上司に退職の意思を伝える

獣医師の転職における 失敗パターンについてはこちらも参考にしてください。



まとめ

獣医師が転職をする方法には、直接求人先に応募する方法、求人サイトから応募する方法、転職エージェントを利用する方法の3つがあります。いずれも、気になる求人があった場合、履歴書や職務経歴書を提出し、面接、実習、内定、退職準備、勤務開始といった流れになります。
転職を成功させるためには、最初に応募したところだけで転職を決めるのではなく、複数の求人を比較、検討したうえで慎重に転職先を判断することが大切です。また、動物病院の場合、実習期間は、職場の方針や雰囲気を見極めるうえで重要な役割を果たします。できるだけ実習期間が設けられている動物病院を選ぶと良いでしょう。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。